この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ソレは、そっと降り積もる・・・。
第10章 〝愛〟が在りますか?
肌を幾度となく重ねているのだから彼女が居ても着替えることは、出来る。しかしどうしても今は、出来ない。
執事の・王妃の言葉を思い返してしまう。
「あ、そうだ。」
「なんだ?」
今は、顔をまともに見られない。気恥ずかしくって。自分が〝初恋〟と言うモノに振り回されているのが恥ずかしいのだ。
30を前にして初めて知った感情で〝制御〟の仕方が判らない。
「お仕事、遅れませんでしたか?」
「え・・・?」
「〝用事を思い出して戻ってきた〟って、言ってましたよね?大丈夫だったんですか?私の所為でお仕事になにか支障があったかも・・・と、心配で。」
「いいや、大丈夫だった。」
気遣いさえ愛おしく感じるこの現状は、危険だ。
「そうですか、ホッとしました。」
「ッ゛!!?」
なに気なく微笑んだだけで心臓が高鳴る。