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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第10章  〝愛〟が在りますか?
  


「ジュリアスさん?胸が、痛むんですか?」


 恋をすると〝胸が痛む〟とは、本当だったのだと初めて知った瞬間だった。王が王妃に振り向いて欲しくてやきもきしていた頃を思い出して自分も現状そうなのだと、理解した。
 無意識に胸に手を当てていた。


「ジュリアス、さん・・・?ロイさんを呼びますか?」


「いいえ・・・・・・」


 大人の余裕で執事は、助け船をくれるだろう。しかしそれは、いやだ・・・・・・。


「本当に〝厄介〟、だな・・・・・・ッ゛」


「っ?!!・・・ジュ、ジュリアスさんっ!!?」


 急に抱き締めたので彼女の身体が強張っている。しかし〝逃げよう〟とは、していない。一つ一つ確認していく。


「キスを、しても・・・いいか?」


「へ??」


「今、君にキスがしたい。」


 自分がこんなことを願い出るとは、思いもしなかった。


  
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