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不器用な夫
第1章 初夜
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国松家に嫁ぐ練習…?
訝しげにハコを見る僕にハコが頬を赤らめる。
「国松からの条件は1つだけです。」
ハコがはにかみ俯いた。
「条件?」
「立派な嫡子を産む事です。」
僕のシャツを握るハコの手に力が籠る。
つまり…、それは…。
「だから…、先生…。」
ハコが目を閉じて僕を見上げる。
長い睫毛がより一層長くなる。
艶やかな唇が少し震えてる。
ハコが求める事は…。
心臓が爆発しそうな勢いで鼓動する。
僅か数センチ僕が屈めば僕の唇はハコの唇に重なり合いハコのキスを奪う事になる。
だから初夜だとハコが張り切った。
ハコは全てを僕に捧げる覚悟でここへ来た。
何も飲んではいないのにゴクリと僕の喉が鳴る。
ハコの睫毛がピクピクと微かに震えを見せる。
僕は…。
このまま…。
ハコを…。
押し倒して全てを奪いたい欲望が僕の身体を支配しようと暴れ出す。
股間が熱を帯びキュッと引き締まる。
ハコが焦れたように僕に向けた唇から小さな吐息を洩らす。
「せん…せい…?」
その言葉に僕は我に返らずにはいられない。
ハコを僕から引き離すようにハコの肩を持って距離を置く。
「先生?」
ハコが目を開けて不思議そうに僕を見る。
「僕もお風呂に入って来ます。寝室は向こうですから茅野君は早く寝なさい。そんな格好をしてたら湯冷めして風邪をひきますよ。」
教師としての言葉をハコにぶつけて僕はハコから逃げ出した。
風呂の湯船でため息を吐く。
ハコは僕の子を産む為だけに嫁いで来た。
つまりそれは僕と繋がりを育む練習をして来た訳であり僕はそれに夫として答える必要がある。
申し訳ないが今までの僕に女性経験は皆無だ。
こんな事なら割り切って多少の女性とは付き合っておくべきだったと後悔する。
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