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不器用な夫
第13章 食事



ハコを愛すると決めた僕に向けられる公平の嫌がらせに嘆きたくなる。

それよりも…。


「同じものは嫌でした?でも…、ハコはまだそれしか上手く作れないし…。」


泣きそうな表情をする妻に胸が痛くなる。


「なんなら、公平さんがご用意をしてくれたハコの朝ご飯を温めますか?」


ハコが慌てて冷蔵庫に向かう。

そのハコの腕を握る。


「狐うどんでいいよ。一緒に食べよう。」


泣きそうなハコの瞼にキスをする。

狐うどんは僕1人分じゃない。

ハコと2人分だ。

ハコは僕が好きな狐うどんを自分も連続で食べるつもりでいる。

その優しさを否定なんか出来はしない。


「要さん…。」

「明日は違う食事を期待するからね。」


明日からは試験前で学生は早く授業が終わる。

ハコは1人で寂しい思いをするかもしれない。

なら、公平と料理の練習をするのも悪くない。

ハコと2人で食事をする。

食事が終わったら何をしよう?

手始めに…。


「洗い物は僕がするから…。」

「それはハコがやります…。」

「いいよ。僕にやらせて…。」

「でも…。」

「今日のハコはいっぱい頑張ったからね。ゆっくりとして欲しいんだ。」


僕はハコの為に夕食の後片付けをする。

丼ぶり鉢が2つ、グラスが2つ程度の洗い物。

もっと増えるならハコの為に食洗機を買ってやらなければいけないのかな?

1人じゃない。

ハコが居る。

ご機嫌で鼻歌が出そうだ。

まあ、僕が知る歌は学校の音楽の授業で学んだ歌やクラッシックの曲ばかりだが…。

それでも、さっさと片付けを済ませてハコと2人の夜を過ごすのが楽しみだと思う。


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