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不器用な夫
第14章 捻挫
「三浦君は綺麗だとは思う。男として、そこまでされたら嬉しいさ。だけど僕は不器用だから妻を愛してやるだけで精一杯だよ。」
果歩の服の乱れを直し、自分のズボンを引き上げる。
「部屋まで送る必要はあるか?」
多分、もう三浦家では執筆もメイドも存在しない。
「自分で帰れます。ありがとうございました。」
果歩が優等生の顔に戻る。
車の扉だけは開けてやる。
「でも…、先生…。私…、諦めませんから…。」
不意打ちで果歩に唇を奪われた。
最近の女子高生というやつは…。
ハコもそうだったが果歩も同じでやたらと男と女の交合いについての知識が豊富だと思う。
油断もへったくれもないな。
果歩が足を引き摺りながら自宅へ入るのを見届けて僕は果歩にキスを受けた口を手の甲でぐいと拭い車を発進させる。
果歩がどんなに頑張ったところで、それは虚しい行為にしかならない。
ハコにすら見せてやれない勃起。
早く帰ろう…。
気持ちだけが焦るが僕が運転する車はやはりノロノロとしか学校へ進まない。
「国松先生っ!」
学校の駐車場で僕の帰りを心配する新巻先生が待っててくれた。
「新巻先生…。」
「あまりにも遅いから…。」
「ちゃんと送り届けましたよ。事故なんかしてません。」
「なら、いいんです。」
「その代わり…、駐車場に戻すのは新巻先生にお願い出来ますか?」
辺りは完全に真っ暗で僕は学校の駐車場に借りた車を戻す自信がない。
「車は私が戻しますから国松先生は帰る用意をして下さい。先生のお宅の執事さんが学校の前でずっと待っておられますよ。」
呆れた顔の新巻先生が僕の背中を叩き運転を変わってくれた。