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不器用な夫
第15章 相談



僕の妻は意外と怖いと思う。


「携帯をお借り出来ますか?」


ハコがスカートを下ろし、ゆっくりと僕の方に近付いて来る。

僕の机の隣で2人が対面する。


「公平に?」

「いいえ、白鳥にお願いします。」


笑顔のまま笑わない瞳で僕を見るハコに携帯を渡してやる。

ハコが僕に背を向けて白鳥に連絡を入れる。


「ああ…、白鳥…。ちょっとお願いがあるの。」


弾む声…。


「んふっ…、そう忘れ物なの…。」


甘えた声…。


「だってぇ…、忘れちゃったんだもん。」


少し拗ねた声…。


「無いと困るの…、だってパンティーだもん。」


頬を紅く染めて電話をするハコにイライラする。

夫の目の前で他の男にパンティーを履き忘れたとか連絡をするなよ。


「うん…、お願い…、待ってる♥」


まるでデートの待ち合わせのような言葉。

携帯をハコから取り上げるようにしてふんだくり切ってやる。


「白鳥さんが持って来るのか?」

「うん…、1時間目が終わったら正門前まで持って来てくれるって…。」

「なんで、そんな物を忘れるんだよ。」

「要さんが変な事するからだよ。」

「学校では先生だ。」


ハコが僕を睨み、僕がハコを睨む。


「ぬるぬるにされて気持ち悪かったから着替えるつもりだったけど…、要さんが急かすから…。」

「学校では先生だ。」


ハコが口を尖らせる。


「授業に行きます…。」


そう言って僕に背を向ける。

僕はそのハコの腰に手を回す。


「1時間目は何?」

「日本史…。」


北川先生の授業…。

あいつの授業を妻にノーパンで受けさせる?

夫として、そんなのはお断りだ。


「授業はいいから…。」


ハコの首筋にキスをしながらハコのお尻をスカートの上から撫でてやる。


「要さん…。」

「先生…だろ?」


ハコを机に押し倒すとお尻だけが僕に突き出す姿勢になる。


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