この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
不器用な夫
第20章 秘密



「それは違う。僕はその話を断った。それは国松の家で父に確認をしてくれて構わない。」


ハコが大きな瞳を更に大きくする。


「お義父様に…?」

「そう、僕が愛してるのはハコだけだからと…、三浦君は関係ない。」

「でも…。」

「わかってる。緒方が勝手に焦ってるだけだ。」


僕の言葉をそれなりに理解をするハコが小さく頷いた。

天然とはいえハコはやはり茅野家の令嬢である。

緒方の目論見はそれなりに理解してる。

緒方の目的は果歩が本当に孕む事じゃない。

国松の妻になる可能性を噂で流すだけで緒方は持ち直す事が出来る。

緒方はあくまでも銀行経営が主体であり、三浦で不良債権を背負い過ぎた。

三浦のせいで銀行経営が危ないと噂が出れば預金者や出資者が銀行から手を引く。

それを食い止める為に新たな噂が必要だった。

それが国松の子を緒方が作るかもしれないという噂なのだ。

国松の婚姻は伏せられる。

だが、ちょっと調べれば果歩が僕の学校の生徒だという事実だけは出て来る。

緒方には国松が付くかもしれないと噂だけで緒方に資産を預けている名家は様子を見る体制に変わる。

時間が稼げれば緒方は三浦から受けた打撃を巻き返し体制を整える。

その時間稼ぎに国松が利用された。

父は憤慨する事になるが、噂はあくまでも噂であり今更にはどうする事も叶わない。


「なら…、要さんは?」

「三浦君とそういう関係になるつもりはないよ。僕は不器用ですからハコだけで精一杯です。」


本当にハコだけで手いっぱいだと思う。

果歩には何も感じない。

ハコは違う。

ハコが泣きそうだというだけで僕は狼狽えて焦る。

ハコに捨てられたら、きっと僕は立ち直れずに清太郎さんに国松の滅びを宣言する。


/416ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ