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不器用な夫
第22章 時間
「お義母様が羨ましくてハコにもそんな人が欲しいとお義父様に言っちゃった。」
ハコがぺろりと舌を出す。
始めから全てを受け入れてたハコの器の大きさに呆れてしまう。
「だけど愛人と浮気してる部分をハコは気にならなかったのか?」
僕と果歩の事は荒れ狂うほどに気にするくせに…。
ハコが本当に理解が出来てるかが気になる。
「愛人と浮気じゃないでしょ?」
けろりとハコが答える。
頭が混乱する。
天然ハコワールドは僕の理解を超えてるらしい。
落ち着く為に水を飲む。
「要さんだって…、公平さんは愛人で浮気してる訳じゃないですよね?」
平然とそう聞いて来るハコの言葉に飲んだ水を吹き出し噎せて咳き込んだ。
「ハ…ッコ!?」
公平の事まで知ってたのか?
「なんで…、公平!?」
「違うのですか?確かにお義父様はそう仰ってましたけど…。」
「父さんが!?なんて!?」
パニックだ。
「要さんの性欲のコントロールは執事である公平さんが面倒を見てるからと…。」
満面の笑みを浮かべてそう答える妻を怖いと思う。
そもそも僕の性生活を父が知ってるというだけで異常だと思うのに…。
天然の妻は、公平は執事なのだから主の性的処理を執事が行う事は普通なのだと受け入れてる。
「葉子さん…、君は執事となら何をやってても気にしないの?」
「だって…、公平さんは男の人ですし、要さんも公平さんも愛し合ってる訳じゃないし。」
「そういう問題?」
「ハコなんか男の白鳥にブラジャーを着けさせてたからお互い様かな?」
なるほど…。
だから父は僕の嫁にとハコを選んだ。
とんでもない器を持つハコならイかせ屋が存在する夫婦の営みを
『必要な事だから…。』
と受け入れてしまうのだろう。