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不器用な夫
第22章 時間
ガックリと肩を落とす僕の鼻をハコが摘む。
「んがっ!?」
ハコが少し怖い顔で僕を睨む。
「新しく愛人を作ったり、浮気をするつもりなら絶対に許しませんからね。」
ハコがそこは厳しく言う。
「わかってます。」
僕はハコに逆らえない。
身体に負担がかかる性的処理が僕にとって必要な事として認めてくれる妻は間違いなくこの世でハコだけだとしか思えない。
そのハコを簡単に裏切る事は出来ない。
「要さんを愛してる。」
ハコが白い裸体を僕に擦り寄せてキスをする。
手に入れた。
僕の全てを理解して僕だけを愛してくれる人を…。
嬉しくて全身で身震いをする。
「要さん…、感じてるの?」
ハコが僕の身体に鼻を付けて仔犬のようにクンクンと匂いを嗅ぐ。
「何をしてるの?」
「要さんから甘い香りがするから…。」
「フェロモンの匂いがわかるの?」
「うん、お義父様と同じ香りがするもの。初めはオーデコロンだと思ってた。」
男性なら敏感に惹かれるフェロモンだが女性にはコロン程度の甘い香りにしか感じない。
「この甘い香りを出す時って要さんが感じてる時なんでしょ?」
「まあ…、そういう時に発するかな…。」
「この香り…、ハコは好きっ…、気持ち良くて安心する香りだから…。」
ハコが僕に抱きついた。
僕はハコを受け止める。
ハコの綺麗なストレートの髪を撫でて口付けをする。
「ハコの髪が好きだ。」
「髪が?」
「全てが…、その大きな瞳も。膨らんだ唇も…。」
ハコの唇に口付けする。
「小さなおっぱいもね。」
「意地悪っ!」
またハコが僕から胸を隠して睨む。