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不器用な夫
第25章 避妊



「おはよう…、ございます。」


僕を見ずに答えるハコがやはり辛い。


「ごちそうさま…。」


僕とハコに気を使う母が席を立つとハコが


「私も…。」


と席を立つ。

そのハコに首を横に振る母が止める。


「要さんと話をしなさい。」

「でも…。」

「大丈夫…、私の息子は馬鹿じゃないわ。」


そんな会話を母とハコがする。

ハコは国松の妻としての悩みを母に相談してるのだと初めて知った。

母に説得を受けたハコが席に座り直す。


「ハコ…。」


僕が名前を呼ぶだけでハコが今にも泣きそうな顔をする。


「ハコ…、おいで…。」


子供をあやすようにハコを僕の方に呼び僕の膝に乗せて話をする。


「そんなに子供が欲しいの?」

「だって…、国松家は子供を産まなければ誰もハコを国松の家族だと認めてくれないんでしょ?」

「それは違うよ。ハコ…、母さんだって父さんだってハコを娘のように思ってくれてるよ。」


ポロポロと涙を流すハコはまだ子供だ。

子供を作るという本当の意味を理解してない。

子供は産めば良いものじゃない。

両親が愛して、育てて教育する必要がある。

茅野家で両親に放任に育てられたハコはそこがよくわかってない。


「子供が出来たら、ハコが僕に構ってくれる時間が減るってわかってる?」

「ハコはそんな事しないもん。」

「でも、僕からすればハコのおっぱいが赤ちゃんに取られるんだよ。」


ハコの着てるシャツのボタンを外してブラジャーに覆われた乳房にキスをする。


「要さん…。」


ハコが口を尖らせる。


「約束は守るよ…。この夏休みはハコと2人で藤原家に行く。但し、ハコを妊娠はさせられない。」

「それじゃあ…。」


行く意味がないとハコがまた涙を流す。


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