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不器用な夫
第25章 避妊
最低な夫の最低な約束…。
ずっと涙を流し続けるハコを抱き上げて部屋に連れて行く。
「今日はずっとハコと居るから…。」
1日中でも泣きそうな勢いのハコにキスを繰り返す。
「それでも…、要さんはハコには子供を作ってくれない…。」
「ハコ…。」
「わかってる。これはハコの身勝手な我儘だってわかってる。だから、もっと大人に生まれたかった。要さんと釣り合うくらいの歳に生まれたかった。」
「やっぱり僕っておじさんって意味?」
「違うよ…、ハコが高校生じゃなければ要さんはハコを妊娠させてくれたよね?ハコが20歳なら要さんはそんな事を気にしなかったはずだよね?」
「そうだね…、それでも僕はハコを愛してる。高校生のハコに会えて良かったと思ってる。他の男にハコを取られる前に出会えた事を幸せだと思ってる。」
「なのに…、ハコは要さんの本当の奥さんにはなれないんでしょ?」
「ハコが僕の奥さんだよ。妊娠するのをほんの少しだけ遅らせるだけだ。」
必死にハコを説得する。
どうすればハコに伝わるのだろう?
僕がどれだけハコを愛してるのか…。
伝え方がわからない。
不器用で駄目な夫はハコを裏切ってばかりの最低な男だと情けなくなって来る。
ハコと離れるのが怖くて1日中、ハコにべったりとしがみつくだけの僕になる。
ハコがほんの少しでも動こうとすれば…。
「どこに行くの?」
と問い詰める。
「………、おトイレ…。」
「待ってる。」
飼い主を待つようにハコを待ってしまう。
トイレから出て来るハコがもじもじとする。
「どうしたの?」
「夕べ…、要さんが出したのが…、まだ出て来るの…。」
ハコが赤い顔をして僕を睨む。