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不器用な夫
第25章 避妊



今夜の僕は公平を従えてハコのご機嫌取りをする事になりそうです。

コンドーム…。

公平に買いに行かせよう…。


「要さん!」

「ちゃんと聞いてます!」


ハコが怒ると怖い僕…。

ハコには国松のフェロモンの力が通用しない。

なんだかんだと父さんが母さんに逆らわないのは、そういう事かと学習する。

2時間近くハコの愚痴を大人しく聞いた。


「喉が乾いたし、お腹が空いたからお義母様とランチにしましょう。」


やっとハコの機嫌が治ればホッとする僕が居る。

ご機嫌で母とお昼を食べるハコに母が嬉しそうな顔をする。


「要さん、お仕事も大切だとは思いますけど、もう葉子さんに心配を掛けてはいけませんよ。」


母までもが僕を責める。


「要さん…、先生だから秘密が多いもん。」


ハコが母の援護を受けて口を尖らせる。


「わかってます!母さんとハコには僕は逆らわないって決めてますから…。」


もう勘弁して欲しいと発狂したくなる。

父が母とのランチから逃げる理由も理解をした。

偉そうに言っても、父さんだって逃げてるんだ。

良き夫婦の為の愛とは上手く逃げ出す事が重要なポイントになるのだと、この歳でやっと覚えた。

この先の僕は国松の愛人の座を狙う女性から逃げまくり、妻のご機嫌取りを必死にやるだけの夫になるのだと覚悟をする。


「公平…。」


ランチの後は公平にしがみつく。

公平は呆れた顔で僕を見る。

ハコは今夜の為に母と浴衣の着付けをしてる。

美容師を呼んで髪を結って貰うと張り切ってた。

今だけが僕の自由な時間…。

執事に頼る生活は嫌だと思うが僕は公平に頼るしかないから公平が嫌な顔をしてもしがみつく。


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