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不器用な夫
第25章 避妊
「坊っちゃま?」
「コンドームが居る…。」
「いつ?」
「今夜…。」
「今夜もですか?」
「今夜の屋形船に絵里美達が来たら、またハコが鬼のように怖くなる。」
「少しは怖い思いをされた方が坊っちゃまの為ですよ。」
僕が公平の忠告を聞かずに果歩を助けた事を公平が責めて来る。
既に充分なほとハコには責められたのだから、もうお説教はお断りだと思う。
「黙って買って来い…。」
「御意…。」
公平が情けない主をジッと見る。
「なんだよ?」
ふてくされる僕をクスクスと笑う。
主を主として扱わない執事。
「始めはどうなるかと思いましたが、意外と坊っちゃまが奥方様には必死なのに安心したんですよ。」
「公平…?」
「もう自分も坊っちゃまも子供じゃないのだと思うと歳を感じるんですよ。」
懐かしそうに僕を見る。
あの頃の公平は僕が放つフェロモンを愛だと誤解してたのかもしれない。
僕も公平が与えて来る快楽を愛だと勘違いして溺れてたとは思う。
「公平も愛してるよ。」
執事として、家族の一部として僕は公平が居なければ生きていけない情けない主だ。
「なら、久しぶりにその愛を育みますか?」
ふざけて公平が僕をベッドに押し倒す。
「その気になる訳ないだろ?」
「坊っちゃまをその気にさせるのは容易いですよ。」
ツッと公平が耳朶に舌を這わせて舐め上げる。
一瞬で背筋がゾクゾクする。
まずい…。
やっぱり公平にはその気にさせられる。
「止めろ…、公平…。」
「坊っちゃまが今後は大人しくするとお約束をして下さるなら…。」
ニヤニヤと意地悪な笑顔を向ける公平に腹が立つ。