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不器用な夫
第4章 実家
「普通の夫婦はいきなり夫婦になるわけじゃないだろ?僕はハコの事を何も知らない。」
「先生はハコの担任だからハコの事をもう全部知ってるじゃん。」
「ハコの古典の成績が夫の立場として笑えない事だけは知ってるけど、それは僕とハコが夫婦として暮らすのに必要な知識になるのか?」
成績を言われるとハコが嫌な顔をする。
「さっきも言ったけど僕は女性が苦手なんだ。不器用だし、女性が喜ぶ言葉すら満足に言えない男だよ。だからハコとはまず夫婦だけど恋人から始めてお互いをわかり合えたらと思うんだ。」
「要さんが…、そう望むなら…。」
ハコが僕のスーツの上着を脱がせてから僕のネクタイを緩めて来る。
僕は僕の上に跨るようにして座るハコを抱えたままハコを観察するように眺める。
ハコはまだ裸に短いエプロンのままだ。
ヒラヒラのフリルが付いたエプロンはギリギリでハコの小さな身体を覆い隠す。
短い裾から伸びる白い太股。
果歩に比べるとハコの方が太く健康的だと僕は思う。
その脚の付け根に視線を向けるとハコが
「要さん…、えっち!」
と口を尖らせる。
「そんなはしたない格好をする方が悪いんだろ?」
「だって…、このくらいしないと要さんがハコを見てくれない気がしたんだもん。」
口を尖らせながらもハコがゆっくりと僕のYシャツのボタンを外していく。
「ハコは…、3年も前から僕と結婚するって知ってたの?」
僕はハコの頬にキスをしてハコにお互いの状況の確認から始める。
「3年前?」
「国松家から茅野家にこの結婚の申し込みがあったんだろ?3年も前に…。」
僕の質問にハコが大人びた顔でクスクスと笑い出す。