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不器用な夫
第4章 実家
僕はそんなハコに見蕩れる。
少女が大人の顔に変わる瞬間に僕は僕の知らないハコを感じてドキドキとする。
学生じゃないハコをもっと知りたいと思う。
「初めて国松家のおじ様…お義父様と出会ったのが3年前って事ですよ。」
Yシャツのボタンを外して肌蹴た僕の胸をハコがゆっくりと撫でて来る。
痩せて貧相な胸板をハコが確認するように丁寧に何度も撫で上げる。
「父さんと?」
「国松家のおじ様…お義父様はうちのホテルのお得意様ですから。」
父は月に2週間ほどをホテルで暮らす。
そのホテルは茅野家の経営だ。
茅野家は世界中にホテルを持つ。
そのホテルにハコも一時は暮らしてたらしい。
「お義父様の方から声を掛けて下さいました。」
ある日、ハコがホテルのレストランで夕食を食べてた時に父からハコに声を掛けたらしい。
「1人なら一緒に食事をしないかと…。ハコにはその時のおじ様の言葉がとても嬉しかったです。」
当時の事を懐かしそうにハコが話す。
僕は父に嫉妬に似た感情を懐く。
ハコの両親は今は海外暮らしだ。
茅野家はハコの年の離れた兄が既に跡取りとしてその才覚を見せてる。
ハコはいわゆる帰国子女。
日本では中等部に編入する為にしばらくホテル暮らしを強いられた。
ハコの寂しさを父は感じて声を掛けた。
そこからハコと父の不思議な付き合いが始まったとハコが懐かしそうに僕に語る。
「お義父さまから要さんの事は聞いてました。その要さんと結婚してみないかと言われた時はドキドキとしましたし、高等部で要さんが担任だって知った時は眠れなくなるくらいに嬉しかったの。」
ハコが僕の胸に自分の胸を押し付けるようにして僕に抱きついて来る。