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不器用な夫
第1章 初夜
引き締まったウエスト。
短めのスカートから伸びる細く白い脚を斜めに揃えて大人しく座るハコに妙な気分にさせられる。
「先生…?」
ハコの言葉に我に返る。
「何?」
「お風呂…、使わせて頂いて良いですか?」
「ああ…、どうぞ。」
ハコを風呂場へと案内する。
「タオルとか…、ここだから…。」
出来るだけハコを見ずにハコに必要と思われる事柄だけを説明する。
僕の背中のシャツがハコの小さな手で掴まれた。
「ねぇ、先生…。一緒に入ります?」
悪戯っ子の笑顔をハコが僕に向ける。
今すぐにハコを押し倒したい衝動が込み上げる。
「大人をからかうな。」
「からかってません。だって…、今日から夫婦なんですから…。」
ぽふっとハコの額が僕の背中の真ん中に当たる感触がした。
小さくて軽い。
きっと僕が振り返りハコを抱きしめれば柔らかい感触を感じる事が出来るのだろう。
とんでもない嫁を貰ったものだと後悔する。
せめてハコがうちの学生でさえなければ…。
そこに拘わる僕はハコに一線を引いてしまう。
「さっさと入って寝ないと明日、遅刻するぞ。」
教師だからとハコに子供扱いを貫き脱衣場から逃げ出した。
本当は自分に自信がなかっただけだ。
別にモテないだけの人生を送って来た訳じゃない。
自分が地味な男だとは自負してる。
だが、有り余る財産を持つ名門の一族という肩書きは地味な男でも充分なほどに女性を惹き付けるらしい。
ただし僕に言い寄る女性全てに対して僕は付き合いそのものを断り続けて来た。
中には財産目当てだけでなく本気で僕との恋愛を望んだ女性も居た。