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不器用な夫
第6章 運転
甘味なまでに感じる快感からいつまでも抜け出せない感覚が好きだった。
怠惰な瞬間…。
全身の力が抜ける僕に優しくキスを繰り返す公平…。
萎えた公平のものがズルりと身体から出て行く。
情事が終われば用はないとばかりに抜かれたら僕の気持ちが一気に冷めると知ってる公平は自然に抜けるまで僕との繋がりを保ち続ける。
内腿には公平が出したものがツーッと流れ落ちた。
「今夜の坊っちゃまは早くお風呂に入って、もう寝て下さい。」
「公平は…。」
「奥方様のお洩らしと坊っちゃまの愛液でベタベタのソファーを掃除したら帰ります。」
「公平ぇ…。」
「坊っちゃまが早くベッドに戻らなければ奥方様に気付かれますよ。」
いつまでも公平に甘えたがる僕の興奮が治まると公平が冷静を取り戻す。
公平はあくまでも国松家の執事だ。
いくら僕のフェロモンに反応しても公平は執事として自分を辞す事を覚えた。
未だに僕だけが公平から与えられた快楽にどっぷりと溺れる。
もっともっとと狂ったように男を求めたがる身体を押さえ付けて風呂に向かう。
熱いシャワーで全てを洗い流す。
今夜、僕が吐き出したものも公平が僕の中へ吐き出したものも…。
まだ身体が疼く…。
久しぶりに味わった男の味。
その余韻に浸る。
全身がざわつく。
公平が触れた場所…。
公平が口付けて舐めた場所…。
その全てが熱く僕の全身がまだ公平を望む。
風呂から出てリビングを避けるようにして寝室へと向かった。
ベッドにはすやすやと無邪気な顔で眠る少女。
妻であるハコを裏切ったのだという罪悪感が一気に押し寄せる。
疼く身体が冷めていく。
まだ眠り続けるハコの顔を何度も撫でて、その額にキスをする。
薄らとハコが目を開けて僕を見る。
その綺麗な瞳に見つめられると裏切りを行った僕は死にたい気分にさせられる。