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不器用な夫
第6章 運転
まだ僕はそんなに興奮はしていない。
今ならほどほどにハコを感じさせてハコとの合体が挑めるかもしれない。
「ハコ…。」
僕の手がハコの白いショートパンツに触れようとした瞬間…。
「坊っちゃま…。」
寝室の扉がノックされるからハコがビクリと身体を強ばらせ僕は口からバクバクと動く心臓を吐き出しそうな気分になる。
「なんだっ!」
扉の向こうに向かって叫ぶ。
「奥方様の朝食のご用意はもう済ませてありますから…。」
それだけを言って公平が消える気配を感じる。
あいつ…、わざとなのか?
そう思いたくなるタイミング。
ハコはもうそそくさと自分の胸を隠すようにベアトップを引き上げてる。
「ハコ…、朝食にしよう。」
ハコの頬に名残惜しくキスをしてベッドから出る。
普段着の黒のTシャツとジーパンに着替えて顔を洗い髭を剃る。
ダイニングに向かえばハコがフード付きの白いTシャツに赤いミニスカートと子供っぽい姿で現れてテーブルに座る。
「顔と手を洗ったか?」
「あっ…。」
慌てたようにハコがテーブルから離れて洗面所に走り出す。
既に公平の姿はどこにもない。
キッチンにはハコの朝食と僕のコーヒーが湯気を上げた状態で置いてある。
夕べのソファーは綺麗な状態になってて、何事もなかったかのように僕とハコの休日が始まった。
朝食を済ませハコが食べた朝食と僕の使ったコーヒーカップを洗う為にキッチンには僕が立つ。
「あー!だから…、そういうのはハコがやる。」
ハコが僕の横に来る。
「ハコに出来るの?」
うちの母には出来ない。
お嬢様には洗い物などの家事は出来ないだろうという僕の先入観。
事実、うちの学校の生徒達も出来そうにない子ばかりだ。
「その程度ならハコにだって出来ます。」
えっへんと自慢気にハコが胸を張る。