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チカちゃん先生のご褒美
第9章 チカ先生の卒業
*
「じゃあね」
二時間ちょっと前に初めて下りた、駅の改札。
さっきは出たそこに逆に入って、内川くんに手を振った。
お互いが果てた後、しばらく床の上で崩れていたら、終了を告げる音がした。
このまま泊まる?って聞かれたけど、断った。
まだ終電に間に合う時間だし、明日の朝を、ここで迎えたくなかった。帰って、ひとりになりたい。
それなら家までか、せめて家の最寄り駅まで送る、って言われたけど。それも、断った。
優しくされて、変に情がうつっても、困るから。
そういうの無しで、ひとりでゆっくり考えたい。
「うん……じゃあ、また?」
ちょっと不安そうに「また」って言われて、考える。
また、同窓会はあるんだろう。また呼ばれるのかもしれないけど、そのときまで私が「先生」を続けてるかは、分からない。
「そうだね、機会が有ったらね」
「……そっか。まいっか、とりあえずこれ有るし」
そう言うと内川くんは、スマホを見せてきて、にやっとした。