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チカちゃん先生のご褒美
第9章 チカ先生の卒業
「っ……」
内川くんが、動き始めた。体が揺らされて、服がラグの上で捩れる。
握って動きをとめることもできない、厚みも無い、安っぽいラグ。
背中だって、擦れて痛い。
電気もちゃんと消してなくて薄明るいままだし、「ヤル為」だけに作られた部屋の味気なさが、嫌でも目に入る。
……なのに。
「先生っ、」
「んっ、ん、あ」
気持ちいい。
どうして、って思うくらい、気持ちイイの。
自分にきゅっと力が入った時に感じるキツさも、引っかかる感じも、突かれる場所も、初めてで。
好きでもない、脅され半分でこんな事になった元生徒と、こんなとこで、前戯もそこそこに、こんなことになってるのに、気持ちいい、とか。
私、何やってるんだろって、おかしくなる。
「ご褒美」を貰ってた女の子達も、彼氏が居た子も、居ただろう。
その子たちも、こんな感じだったんだろうか。
目を開ける。
涙でぼやけた目に映るのは、大人になった内川くんで。
「ん……」
「?チカちゃ」
苦しそうにしているのがかわいそうになってきて、引き寄せてむりやりキスをする。
抱き締められて腰を押し付けられてるけど、私達は、どっちも半端に服を着たままだ。触れ合う肌のぬくもりや安心感なんか、感じない。
「……チカっ……」
「ん……ん、ぅ……」
外からじゃなく、耳の内側から、ぐちゅぐちゅ舌や唾液や粘膜が擦れて混ざる音が聞こえる。優しさとか愛おしさとか、なにもないキス。動物みたいに、貪るだけの。
早く、もっと、いっぱい。
全部忘れて、最後まで。
「あ……ごめん、も、イくかも、」
「ん、いいよっ、」
そう言うと内川くんは低く呻いて、私の肩を痛いくらい掴んで、がつがつ腰を穿ち始めた。
「あ、ぁん、あ」
「チカ、ぃ、あ、すげ、」
揺らされるたびに、口から短い声が漏れる。
フレアスカートから出たストッキングの膝が伸びて、空中で脚ががくがく揺れている。
あの日見た、プリーツスカートを揺らしていた白い靴下の脚みたいに。
「ぁ、んっ、あ!」
「ぅあ、あ、出る、っ」
「あ、イっ……んっ、ん、あ!ぁあん、たろ……んっ……!」
どうしてか、分からなかったけど。
びくびく脈打って自分の上に落ちてくる体の重みを受け止めながら自分が果てる瞬間に、私は、ここに居ない人の名を呼んだ。