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第5章 許したストーカー行為

動き出す人ごみ。

Ａさんが少し動いて隙間を作ってくれたから、私はそこに入って先に降りようとしたら、Ａさんの前を通るその時に偶然に腕がＡさんの股間の男の人のモノに当たってしまった。

その僅かな瞬間的な出来事にも、右腕に感じた丸くて、コロッとしてフニャッとした違和感に強くハッとして驚いた。

これが男の人のモノなんだと。

でもその驚きを隠したまま、人の波に押されて私は電車を降りた。

後ろにはＡさんが続いてきている気配を感じながら。

ホームに出ると、ドッと多くの人並みが上へ向かう階段へ押し寄せる。