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第5章 許したストーカー行為

でも、やはり今日は落ち着けない。

ありえないけれど、窓の向このどこかのビルからかＡさんが双眼鏡でも使って私を見ているようで、どうしてもその掴めない視線が気になってしかたなかった。

また、課長さんから頼まれた事務用品を買うために外に出たらどこからかＡさんが現れて、お店で商品を買って会社に帰るまですっと後をつけられた。

そしてランチタイムに、須藤さんやいつもの４人組でいつもの喫茶店に出かけると、会社を出たすぐにまたＡさんが何処からともなく現れて後をついてきた。

そうなればやっぱりＡさんの存在が気になってしまうけれど、他の３人がそれに気付いて変な騒ぎになってしまわないように、いつものように普通でいる演技をするのが大変だった。

それはお店の中でも一緒で、Ａさんは私たちのテーブルのすぐ後ろのテーブルに着いて、私とは須藤さん達を挟んで向かい合う位置関係になっていた。