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Aさん ~私を淫らにする人~
第2章 本当の自慰を知った夜
それから温かい湯船の中に体を落ち着けると、頭の中がモァ~ンとうつろになって、エッチなことも高橋さんのことも思い浮かぶことはなかった。

もしこれが官能小説の世界だとしたら、私は淫らに体が疼いて自慰をするのだろうけど、私の体は例えお湯を撫でるついでに腕や肩と体の表面を触ってみても疼かないし、気持ちもムラムラなんてしてこない。

私はそういう面白みのない女なのだと改めて自分で思い、そして体が十分に温まって立ち上がると、ズンッ!と私の体の奥底で隠れていた何かが発芽して姿を現したような感じがした。

?とその感覚に疑問と不安を感じながら湯船をまたぎ、外へ出て体を洗う準備を開始すると、その間にソレがなにかよくない卑猥なものであることを確信した。
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