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Aさん ~私を淫らにする人~
第2章 本当の自慰を知った夜
(いや、いや、いや)

心の中でそう叫びながら爪を立てて髪を洗い、熱いお湯で洗い流す頃になってようやくその紫色の花を私の中から消し去ることができた。

それでシャワーを止めて「ふ~っ」と深く息を吐き出すと、鏡についた曇りを手で拭い去ってから自分の顔を見てみた。

大丈夫、そこに映っているのはいつもの私の顔。

いやらくも、赤くもなっていない。

そんな自分にホッと安心すると、体を洗い流すのが中途半端だったことを思い出して改めてゆっくりとシャワーで全てを流して、それからもう一度湯船に入ってからお風呂からあがった。

お気に入りのピンク色のタオルで体を拭いてから飾りのないシンプルなショーツを穿き、そしてタオルを胸の上から巻いた姿となってから歯を磨く。
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