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第6章 お口の快感

そして、低く抑えた口調で「メグちゃんはウブだから経験がないだけだろう。だいじょうぶ、舌を使うキスはもっと気持ちよくなれるんだよぅ」、そう語ってくるＡさんの声は、私を淫靡な気持ちにさせる魔法だった。

「汚くないから」

（Ａさんと舌を合わせる事を汚いなんて思ってない）

（初めてだから、臆病になっているだけです）

そんな反論を心の中でしているうちに不思議と勇気が湧き出てきて、「ほら、口を開いて舌をだしてごらん」と言う促しに、とうとう僅かに開けた唇からほんの先っぽだけ舌を出してしまった。

するとその舌先もＡさんの指がなぞり触ってきて、その後の余韻がしょっぱかった。