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第8章 お部屋を物色されて

なんとＡさんは、床の上でタオルをお腹に掛けたまま大の字なって寝ていたのだ。

こんな所に寝ていたら風邪をひいてしまうと思い、起こそうとしたけれど、どんなに揺すっても疲れているのかＡさんはムニャムニャと生返事だけをして起きる気配がなくて遂にそれを諦めた。

それで、とにかく風邪はひかないようにと思い、Ａさんの体の上に毛布を掛けてあげて、それからＡさんの衣服を乾かすことをしてから私もベッドの中に入って寝た。

次の日の朝に目が覚めると、心配していたことが現実となっていた。床で横になっているＡさんの様子が明らかにおかしい。

本人曰く、どうやら熱がありそうだとのこと。顔が赤く、目もトロンとしていることから、高熱も予測できたのですぐにベッドを代わってあげてから熱を計ってみると、なんと三十八度以上もあった。

この時間ではまだどうしょうもないし、私は会社に行かなくちゃならないから、自分で会社には休む連絡をするというＡさんに家にあった風邪薬と予備の鍵を渡すと、そのまま寝かせて一人で会社に向かったのだった。