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Aさん ~私を淫らにする人~
第8章 お部屋を物色されて
乗り継ぎのホーム、いつもの場所にいつものようにAさんは本読みながらそこにいた。

その前を通り過ぎていくと、携帯が鳴る。

Aさんからのメールもいつも通りに〔おはよう〕と書かれていたけれど、その下に〔昨日はどうしたの?〕といつもにはない文面が記されていた。

それに〔Aさんの風邪が移ったみたいで、熱が出てお休みしたんです〕と嘘をついて返した。するとAさんがいつもにはない行動をし、なんと私の並んでいる列に入ってきたのだ。

何人か後ろにAさんがいる。

そう思うだけで、心臓がドキドキとした。

そして電車が入ってきて混んだその中に乗り込むと、Aさんも人の間をすり抜けながら私の横にやってきてなんと「おはよう」と声をかけてきた。
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