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Aさん ~私を淫らにする人~
第12章 帰ってきたAさん
それに対して「いいえ」と答えた私。

それは儀礼的なものではなくて、本当にカメラを取り外されてしまうことに寂しさを感じたのだった。

もっと付けたままにしておいてくれていいのにと。

でも、そんなことはもちろん言えなかった。

それから二人で私の家へ向かった。

Aさんは疲れているからとご飯は抜きで、何処も寄らずにまっすぐに。

それにしても変な話だ。

私はあのカメラの前であんな変態的な格好をしていて、それを見ていたAさんは多分ホテルの部屋で自慰をしていたはずなのに、今こうして服を着て、そんなことには触れもせずに普通に寄り添い歩いている。
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