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Aさん ~私を淫らにする人~
第14章 石井さんと
それからしばしの茫然自失状態となって、向こうからエレベーターの動く音と「どうもありがとうございました」と口々にされる挨拶の交換を耳にしてから正気に返って応接の片付けをしなくちゃと思い、部屋の中に入ってそれを始めた。
三つのコーヒーカップをテーブルの隅に集めている時でも、頭の中では‘なんで?’が渦巻いていた。
どうしてAさんがここに、それもあの女の人を連れてと疑問と怒りで収まりがつかない。
きっと今の私は鬼のように怖い顔をしている。
そんなところに石井さんの戻ってくる足音が聞こえて、そしてこの部屋に入ってきたのを背中に感じた。
「ごめんね、他の部署の大田さんにそんな後片付けしてもらって」
まだ気分が荒れている私は振り返ることなく「いいえ」と答えると、その次の瞬間に脇の下に手を添えられて上体を起こされると体の向きをクルッと返させられてドキッ!とした。
三つのコーヒーカップをテーブルの隅に集めている時でも、頭の中では‘なんで?’が渦巻いていた。
どうしてAさんがここに、それもあの女の人を連れてと疑問と怒りで収まりがつかない。
きっと今の私は鬼のように怖い顔をしている。
そんなところに石井さんの戻ってくる足音が聞こえて、そしてこの部屋に入ってきたのを背中に感じた。
「ごめんね、他の部署の大田さんにそんな後片付けしてもらって」
まだ気分が荒れている私は振り返ることなく「いいえ」と答えると、その次の瞬間に脇の下に手を添えられて上体を起こされると体の向きをクルッと返させられてドキッ!とした。