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Aさん ~私を淫らにする人~
第2章 本当の自慰を知った夜
黒のピンストライプのスーツに白いワイシャツ、そして紺色のネクタイといたってのシンプルさにまずまずの評価をしてあげたけれど、履いている革靴の右側の先の色が剥げているから早く新しい物に代えればいいのにといつも思っている。
そんなAさんの前を通り過ぎる時には、決してAさんの方を見ることをしないで、ただ前を向いて早すぎず遅すぎないように心がけながら歩いて過ぎていく。
それでいて心の目では、Aさんが私を見ていることをしっかり意識して見ている。
Aさんは今日も本を読んでいるふりをしながら、実は男の人特有のいやらしくギラついた目で水色のワンピースから出ている私のふくらはぎや足首を観察している。
だからこの時に、まだ朝だというのに私は値踏みするように見られることを意識する娼婦的な女になるのだ。
そこから乗り降りする電車のドア二つ分の間を開けた場所で、できるだけホームの前に立って私は電車を待つ。
そんなAさんの前を通り過ぎる時には、決してAさんの方を見ることをしないで、ただ前を向いて早すぎず遅すぎないように心がけながら歩いて過ぎていく。
それでいて心の目では、Aさんが私を見ていることをしっかり意識して見ている。
Aさんは今日も本を読んでいるふりをしながら、実は男の人特有のいやらしくギラついた目で水色のワンピースから出ている私のふくらはぎや足首を観察している。
だからこの時に、まだ朝だというのに私は値踏みするように見られることを意識する娼婦的な女になるのだ。
そこから乗り降りする電車のドア二つ分の間を開けた場所で、できるだけホームの前に立って私は電車を待つ。