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Aさん ~私を淫らにする人~
第14章 石井さんと
エレベーターを降りると背中を押されるように歩き、部屋に入るとすぐに抱きしめられてキスをされた。

腰が折れるほどにきつく抱きしめられて上からされるキスに、爪先立ちとなり背筋がピンと伸びたまま受け続けた。

長いキス。

でも、唇が合わされたまま、それが石井さんのキスだった。

違う人とのキスに私も緊張して心臓がバクバクしてジッとしていたけれど、心の中では違うと物足りなさを感じていた。

そして離れる唇。

石井さんは作った微笑を浮かべて肩を抱いてくると、無言で部屋の中へと誘う。
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