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Aさん ~私を淫らにする人~
第14章 石井さんと
「そうだね、いいよ」と言ってくれた石井さん。

「先にどうぞ」と言ってくれたので先に入ると、顔や髪にお湯を当てないように注意しながら、あまり石井さんを待たせないよう手早く、それでいながら念入りに性器やお尻を洗って外へ出た。

どうしようか迷ったけれど下着は着けずにタオルだけを体に巻いて部屋に戻ると、石井さんは「僕も入ってくるよ」と入れ違いでシャワー室の方に向かった。

残された私は、タオル姿のままベッドに腰掛けると、石井さんがシャワー室の中に入るバタンと言う音を確かめてから携帯を取り出して電源を点した。

やはりか、Aさんからメールは来ていない。

これはいつものことと受け入れていいことなのか、それともあの女の人と会っているからなのか分からない。

いつも私からお疲れ様メールをする時間はもうとうに過ぎているのに、心配してくれないAさんに少しムッときた。
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