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Aさん ~私を淫らにする人~
第4章 私はメグちゃん
さて、これにすぐに手をつけていいものなのかどうなのか困り始めた瞬間に、もうAさんは「うん、お疲れ様」と乾杯をする仕草をしてくれたので、それに私もグラスをもって応えて「すみません」と言って一口飲んでみた。

よく冷えているサワーが体を芯から冷たくさせたけれど、でもその後でなぜか肩の方から体が熱く燃えてくるような熱さを感じた。

そしてAさんは「食べなよ」とトマトのお皿も私の前に差し出してくれたばかりか、取り皿まで取ってくれて私の前に置いてくれた。

それにまた「すみません」と小さくお礼を言ってから、小さくトマトを箸で切って口に運んだ。私はさっきから‘すみません’ばかりを言っている。

それがとても気になっているけれど、他に話す言葉が分からなくて、ただ一切れのトマトを食べた後はまた俯きながら小さくレモンサワーに口を付け続けるだけだった。
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