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やじろべえ
第1章 There is no escape.

今夜はやけに気分がいい。
女を連れて玄関から廊下へ上がると、部屋には行かずに手前で曲がった。
ここには洗面台と風呂が向かい合うかたちであり、突き当たりはトイレになっている。
女は俺に背を向けて立っているが、泣いたり騒いだりはしなかった。
俺は洗面台の上に手を伸ばし、棚を開けて中から黒い革製の首輪を取り出した。
鍵付きで分厚い皮に鋲が打ってある。
それを女の首にはめたが、女は相変わらず大人しい。
「抵抗しないのか?」
「フン……」

