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奴隷オークション
第26章 運命の週末その1
車に着くと後部のドアをノックする隆二。
尚が内側からドアを開いて出てきた。
「どうしたんですかっ。」昌子を見て大きな声を上げる尚。
助手席のドアが開いて京香が降りてきた。
「昌子さんっ。」京香も大きな声を上げる。
「とりあえずお屋敷に行きます。尚様。後ろで昌子さんを見ていて頂けますか。」
「はい。」隆二の落ち着いた様子に京香も尚も落ち着きを取り戻す。
隆二は先に昌子を後部座席に寝かせた。
「尚様。狭いですが。」
「はい。」尚は昌子の頭を持ち上げて太腿の上に乗せながら座席に座った。
京香も助手席に乗り込む。
運転席に乗り込んだ隆二は車を発進させた。
「何があったの。」京香は後部座席を覗き込みながら言う。
昌子は意識を失っていた。
「拷問されたんだと思います。」と隆二。
「あの男。」
「はい。」隆二は事のあらましを話した。
「そんなことがあったんだ。」と京香。
「でもわかる気がします。田中さんの前でオナニーしてしまう気持ち。」と尚。
「確かに。サディストモードの田中さんの目やばいからね。」と京香。
「兎に角それが譲渡のきっかけかどうかはわかりませんがご主人様と相談した結果入札した次第です。それがまた彼女を苦しめる結果になったかも知れません。」
「そうなんだ。」京香は前に向き直りながら言う。
「ご主人様に診察して貰ってどうするか決めます。」と隆二。
「彼女絶対に渡しちゃ駄目よ。」と真剣な表情で京香が言う。
「分かってます。絶対落札します。」と隆二。
やがて車は屋敷に到着する。
「尚様。少し待っていて下さい。」と隆二が降りて行く。
京香も車から降りるとトランクルームを開けて直斗に「着いたよ。」と声をかけた。
「何かあったんですか。大きな声出してた様だけど。」
直斗は自力でトランクルームから出ると屋敷を見上げた。
「大きな屋敷ですね。」
「大きいよね。それじゃ中に入るよ。」と京香はリードを引き歩き出す。
直斗も京香の後について歩き出す。
玄関ホールを抜けて下りていく階段を直斗は足枷の鎖をジャラジャラいわせながら京香の後をついていく。
階段を下ると目の前に扉が現れた。
その扉の上に[拷問部屋]と書かれている事に直斗は気が付いた。
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