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僕の美しいひと
第7章 僕の美しいひと
結婚式はそのまま中止になり、招待客へは高遠侯爵が説明と謝罪をした。
…もとより、郁未の乱入とプロポーズ、清良の告白…そして原嶋の言葉をつぶさに聴いていた招待客たちはすぐに忖度し、非難めいた反応はしなかった。
寧ろ、普段退屈な式ばかりに出席している彼らにとってはなかなかに刺激的なハプニングだったようで、皆、楽しげに帰っていったのだった。
出席者で最長老の…社交界の女帝とも評されている伊藤竹子は、クリスタルの装飾が施された杖をつきながら郁未に近づき、猛禽類のような瞳でシニカルに笑った。
「わたくしも長年様々な結婚式に参列しているけれど、こんなにスリリングなお式は初めてよ。
良い冥土の土産が出来たわ」
大磯の自宅の隣に住まう女帝の恐れ多い言葉に、婉子は最敬礼せんばかりの勢いで見送ったのだった。
…もとより、郁未の乱入とプロポーズ、清良の告白…そして原嶋の言葉をつぶさに聴いていた招待客たちはすぐに忖度し、非難めいた反応はしなかった。
寧ろ、普段退屈な式ばかりに出席している彼らにとってはなかなかに刺激的なハプニングだったようで、皆、楽しげに帰っていったのだった。
出席者で最長老の…社交界の女帝とも評されている伊藤竹子は、クリスタルの装飾が施された杖をつきながら郁未に近づき、猛禽類のような瞳でシニカルに笑った。
「わたくしも長年様々な結婚式に参列しているけれど、こんなにスリリングなお式は初めてよ。
良い冥土の土産が出来たわ」
大磯の自宅の隣に住まう女帝の恐れ多い言葉に、婉子は最敬礼せんばかりの勢いで見送ったのだった。