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僕の美しいひと
第7章 僕の美しいひと
「疲れたあ〜!もう結婚式なんてこりごり!」
清良が郁未の屋敷の居間のソファーに、どさりと身体を投げ出した。
ウェディングドレスから普段着の白地に青い花模様のドレスに着替えた清良は初々しく…とても愛らしい。
思わず抱き締めたいほどだ。
…しかし、郁未は咳払いしながら釘を刺す。
「…いや、僕たちの結婚式はまた後日、きちんと挙げるからね…」
清良はソファーに寝そべりながら口唇を尖らす。
「え〜、もう結婚式…挙げなくても良くない?」
「何を言っているんだ。挙げるに決まっているだろう!僕たちの結婚式はまだなんだから…」
むっとした郁未に、清良は悪戯めいた眼差しで笑った。
「…嵯峨先生、やきもち焼いてるの?原嶋様に」
…完全に舐められている!
憤然とした郁未はしどけなく寝そべる清良の上に、覆い被さるように近づいた。
「…清良。そんなはしたない格好をしていいのか?」
清良は少しもたじろぐことなく、その美しい瞳を細め郁未の首すじに白い両手を絡めた。
「…どうしてだめなの?」
「男は狼なんだよ。そんな隙を見せてはいけない」
弾けるように清良が笑い出す。
「いいじゃん。狼になっても。
嵯峨先生はもう私の旦那様でしょう?」
…その言葉を聞き、郁未は肩を落として清良の上から身体を離し、力なく隣に座った。
「…そういう訳にはいかないよ。
さっき、高遠夫妻とお約束したからね…」
…郁未は、高遠夫妻や婉子と交わされた先ほどのやり取りを思い出し、遠い眼をした。
清良が郁未の屋敷の居間のソファーに、どさりと身体を投げ出した。
ウェディングドレスから普段着の白地に青い花模様のドレスに着替えた清良は初々しく…とても愛らしい。
思わず抱き締めたいほどだ。
…しかし、郁未は咳払いしながら釘を刺す。
「…いや、僕たちの結婚式はまた後日、きちんと挙げるからね…」
清良はソファーに寝そべりながら口唇を尖らす。
「え〜、もう結婚式…挙げなくても良くない?」
「何を言っているんだ。挙げるに決まっているだろう!僕たちの結婚式はまだなんだから…」
むっとした郁未に、清良は悪戯めいた眼差しで笑った。
「…嵯峨先生、やきもち焼いてるの?原嶋様に」
…完全に舐められている!
憤然とした郁未はしどけなく寝そべる清良の上に、覆い被さるように近づいた。
「…清良。そんなはしたない格好をしていいのか?」
清良は少しもたじろぐことなく、その美しい瞳を細め郁未の首すじに白い両手を絡めた。
「…どうしてだめなの?」
「男は狼なんだよ。そんな隙を見せてはいけない」
弾けるように清良が笑い出す。
「いいじゃん。狼になっても。
嵯峨先生はもう私の旦那様でしょう?」
…その言葉を聞き、郁未は肩を落として清良の上から身体を離し、力なく隣に座った。
「…そういう訳にはいかないよ。
さっき、高遠夫妻とお約束したからね…」
…郁未は、高遠夫妻や婉子と交わされた先ほどのやり取りを思い出し、遠い眼をした。