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僕の美しいひと
第2章 夜の聖母
いわゆる連れ込み宿と言うところに、郁未は初めて足を踏み入れた。

…新宿の小さなひっそりとした待合いであった。

部屋に入るなり、貴和子は郁未の唇に唇を重ねた。
…柔らかな唇…甘い吐息…。
若い郁未は、すぐに夢中になった。
女の唇を舌でこじ開け、口内を蹂躙した。
貴和子の舌を捉え、強く絡め合う。
…色ごとに長けているらしい貴和子は接吻も上手かった。
優しく郁未の舌を吸い、軽く噛み…そっと離した。

透明な唾液の糸が、淫らに引き…煌めいた。

貴和子は、やや哀しげに微笑った。
「…大切な息子様を…私のような女がお相手したら…婉子さんはきっと、お怒りになるわね…」
郁未は再び荒々しく唇を奪った。
「…んっ…は…あ…ああ…いくみ…さ…」
甘く甲高く掠れた喘ぎ声…。
噛み付くような口づけを繰り返す。
「…子ども扱いしないでください。
僕はもう二十五歳です。あの頃の僕じゃない。
…貴女より背も高い…」
「…本当ね…」
女の眼が泣きそうに細められた。
「貴女より力も強い…。もう、子どもではありません」
「…ええ…。なんて、お美しい青年になられたのかしら…。
眩しいくらいだわ…」
泣き笑いする貴和子を柔らかく抱きしめる。
少し恥ずかしげに、その薄紅色の耳朶に感情を吐露する。
「…でも…。僕は…女性を知りません…」
貴和子の細い腕が、郁未を抱き返す。
「…嬉しいわ…。
私が貴方の初めての女になれるのね…」
「…貴和子さん…」
郁未の貌を愛おしげに両手で包み込む。
「何もご心配にならないで…。
私に…すべて任せて…」

貴和子は、ゆっくりと郁未の上着を脱がせた。
しなやかにネクタイを解き、ストライプのワイシャツのボタンに手をかける。
…若い男の美しい肌が露わになる。
「…綺麗なお身体ね…。無垢で…穢れを知らない…」
切なげに息を吐き、その素肌に唇を押し当てた。
郁未が苦しげに貴和子を抱き竦める。
そのまま引き摺るようにして、隣室の褥の上に女を押し倒した。



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