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僕の美しいひと
第5章 新たなる扉
郁未の身体がびくりと震えた。
「…やめなさい…」
「嫌!だって、あたしは嵯峨先生が大好き!
ずっと…ずっと…大好きなの。
嵯峨先生がお見合いする…て聞いて…すごくやきもち焼いたの…。
…先生は?先生はあたしのこと、好き?」
郁未は貌を歪めて、苦しげに眼を逸らした。
「…君のことは、生徒として可愛いと思っている。
…だから…君の気持ちには応えられない」
「先生!」
清良の縋り付いてくる手を離し、非情に言い放った。
「…君は明日、高遠家に行く。
今後、二度とここに来てはならない」
清良は眼を見張り、叫んだ。
「どうして⁈どうして駄目なの⁈
あたしはこの学院が大好きなんだよ。
…鬼塚や笙子さんや…子ども達も大好きだし、これからも会いに来たい。
…お父様やお母様だって、きっと許してくれる」
郁未は厳しい表情のまま振り返り、清良をじっと見つめた。
「駄目だ。
君は新しい人生を、生きるんだ。
過去はすべて捨てなさい。
浅草での生活もここの生活も…そして、僕のことも…すべて忘れるんだ。
それが君の幸せなんだ」
「…やめなさい…」
「嫌!だって、あたしは嵯峨先生が大好き!
ずっと…ずっと…大好きなの。
嵯峨先生がお見合いする…て聞いて…すごくやきもち焼いたの…。
…先生は?先生はあたしのこと、好き?」
郁未は貌を歪めて、苦しげに眼を逸らした。
「…君のことは、生徒として可愛いと思っている。
…だから…君の気持ちには応えられない」
「先生!」
清良の縋り付いてくる手を離し、非情に言い放った。
「…君は明日、高遠家に行く。
今後、二度とここに来てはならない」
清良は眼を見張り、叫んだ。
「どうして⁈どうして駄目なの⁈
あたしはこの学院が大好きなんだよ。
…鬼塚や笙子さんや…子ども達も大好きだし、これからも会いに来たい。
…お父様やお母様だって、きっと許してくれる」
郁未は厳しい表情のまま振り返り、清良をじっと見つめた。
「駄目だ。
君は新しい人生を、生きるんだ。
過去はすべて捨てなさい。
浅草での生活もここの生活も…そして、僕のことも…すべて忘れるんだ。
それが君の幸せなんだ」