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劣情ストーリーテラー
第66章 ちょっとだけつまみ喰い
「ねえ」
なに?
「ちょっとでいいからさ、あんたのダンナ貸してくんない?」
は?
「半日したらちゃんと返すからさ」
借りてどうすんのよ?
「言わないとダメ?」
ダメに決まってるわ
「ぶっちゃけ、二、三回やらしてほしい」
ダメだろ
「えー、ちょっとくらいいいじゃん」
ちょーダメだろ、そんなん
「私もさー、けっこう御無沙汰でさー」
知らない、そんなの
「あんたはダンナ見つけてからけっこうよろしくやってるのは知ってるからさー、ちょっとくらい御裾分けしてもいいじゃん」
ヨソでやんなさいよ
「あんたのダンナかわいいじゃん、持ち主がはっきりしてるから逆に後腐れなくていいし」
いつからそんな目で見てたのよ
「けっこう前から?」
会わせなきゃよかった
「ほら、あんたのダンナわりと不器用そうじゃん?隠れて喰ったらバレてモメると思って」
だからって真っ正面から喰わせろって言う?
「人助けだと思って、ね?」
ね?じゃねえだろ、普通にダメだろ
「あんたくらいにしか頼めないのー」
ウソつけ、アイツを喰いたいのと関係ねえだろ
「分かる?」
分かるわ!
「ウマそうなの」
知るか!
「ほしいの」
あげない
「私のものにしようってんじゃないしさー」
貸し借りするようなもんじゃねえだろ
「借りパク?するような間柄じゃないじゃん、私ら」
だから、借りるなよ
「トゥギャザーしようよー、独り占めすんなよー」
しつけえな、他にいくらでもいるだろ
「いやあ、あれはなかなか好物件ですぞ?」
だから私が押さえたんじゃない
「けち」
そういう問題じゃねえ
「じゃあさ、三人でやればよくない?!」
今日は一回帰れ

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