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劣情ストーリーテラー
第31章 ワリキってどうぞ
「こないだね、募集かけたんすよ」
へえ、どんな?
「最低五、最大で十だすから自信ある方どうぞって」
そんで?
「足跡は10人くらい付いたんですけど、応募なかったっす」
まあウソくさいもんねえ
「こっちは本気でどんな人がくるのか楽しみにしてたんですけどね」
ヤバい話っぽかったんじゃないの
「普通にイチャラブしたいって書いたんですけどね」
イチャラブでそれは大げさだってことなんじゃない?
「普段ね、掲示板見てると明らかにそれっぽい人が常駐してたりするんすよね」
まあ、ああいう掲示板だからね
「モデルみたいな写真のっけてる人とか、ばっちり顔出してる人とかね、いつも見かける人が食いついてくるんじゃないかなって期待してたんすよ」
ああ、ああいう人たちね
「なにがダメだったんすかね、すげえイイ話だと思うんすけどね」
まあ、あれだな
「あれ?っすか」
そういう人たちはさ、普段は保険で2でお願いしますっていってる人たちだと思うのよ
「はあ」
それって、ぶっちゃけぼったくりで、自分にはそんだけの価値はないってわかってるから、最初にふっかけるのよ
「ふむふむ」
前払いでやることやったあとに、こんなもんかって無理やり納得させるにはちょうどいいのよ、そのくらいが
「だったらイイ話のほうがラクなんじゃ」
それがね、こんだけの話で応募してきたのがこんなレベルだったとか、あとで笑い話にされたりしたら困るのよ
「誰にも言えないすよ、そんなん」
たぶん、そんな話を日記で書いても誰も信用しないと思うけど、それでも仮にそういう感じになると思ったら、プライドが許さないんだと思うわ
「こういう話に応募するくせに?」
まあ、必要にかられてああいうことしてるんだと思うけど、どこかで非モテを救ってやってるとか、そういう心の逃げ道がないとやってられないんじゃないかな
「お互いの利害はそこにないじゃないすか」
目的ははっきりしてるけど、あんまり生々しいのも重荷になるんじゃないかな、腹くくってる人はそういうお店で働くもの