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劣情ストーリーテラー
第33章 街角電気マッサージャー
「おねーさーん、待ち合わせ?」
今日も来たのね
「そう、待ち合わせ」
「でもしばらく誰も来てないじゃーん、ヒマなんでしょー」
「来るのよ、このあと」
「来ないんでしょー、オレらと遊ぼうよー」
「お巡りさんが来るのとパンチパーマの人が来るのと、どっちだと思う?」
「フかしてんじゃねえぞババア」
「試してみる?」
スマホに手をかけた途端に捨て台詞が聞こえた
こういうところも含めて、街に出ることに意味があるのだと思っている
そう
来る
街中にいる緊張感で、カラダへの刺激を正常に処理しないようにわざとらしく気取っている私の脳に、あれは予告もなく、来る
どれだけカラダで反応しようとも絶対に快感なんか感じている場合ではないと強く念じた私の心に、来る
来る、来る、来る、来る、来る
来た来た来た来たキタキタキタキタキタキタ
ああ
「イグッ」
思わず漏らした言葉も街のざわめきの中では誰の耳にも届かない
わずかに震えている膝も寒さのせいだと思われるのでしょう
突き抜けた衝撃に頭が少しフラフラする
今日はこのくらいにしておこう
アリバイ作りにもなりはしないけど、カフェでコーヒーでも飲んでから帰りましょう
次はどこの町にいこうかしら