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ガーネット弐番館
第11章 令和婚
柱があちこちにあるせいもあって、四角いテーブル席がいくつか配置されている。
食事会ということだが、一応壁際に新郎新婦の席を作り、そこに航平と睦美が並んで座った。

一度座ったものの、航平が睦美の手を取り立ち上がる。
決められた事とはいえ、少し照れくさい。

スタッフから、マイクを手渡される。
さほど広くない店内もだが、今回一応用意されているらしい。

「本日はお忙しい中お集まり頂き、ありがとうございます」

2人が立ち上がり話し始めたことで、ザワついた店内もほどなく静まる。

「私田辺航平と中野睦美は、本日、日付と元号が変わったとほぼ同時に婚姻届を提出してきました」

親族と仲の良い友人たちだけなので、夜中に婚姻届を出しに行ったことは全員知っている。
あちこちで拍手と同時に笑い声がしている。

「ありがとうございます」

丁寧にお辞儀をする航平に、慌てて睦美も合わせる。 

「皆様には急なお知らせになってしまい、申し訳ありませんでした」

なにせ、ほぼ1ヶ月でのスピード婚だ。
食事会のお知らせは急いで出したものの、人数が決まるのは結構ギリギリになった。

「それだけ早急に、睦美さんと結婚したかった僕の心情をお察しください」

!!
それはスピーチ予定になかったはず!

皆の方向を見ていた睦美が慌てて航平を見るも、しれっとしている。
会場のみなさんは、冗談なのか本気なのか分かりかねて静まり返っているのが分かる。

ホントやめて〜。

「またこちらのお店は、この春にオープンしたフレンチレストランで、私の職場となっております。この日のために、シェフと特別料理をご用意致しましたので、ごゆっくりご堪能下さい」

航平の言葉をキッカケにしていたのか、スタッフさんたちが一斉に飲み物をサーブし始めた。
子どもたちにはジュースだか、大人は一応シャンパンが用意されている。

「それでは乾杯したいと思います」

ぞろぞろ立ち上がる。
航平と睦美もグラスを受け取った。

「あ、ちなみに。乾杯はシャンパンでございますが、ビールや美味しい地酒も“ふんだんに”ご用意しておりますので、ご安心下さい」

どちらもの親族から笑いが起きる。

「今日の佳き日を皆様と楽しく過ごせたらと思います。乾杯!」

「乾杯〜!!」

一息ついた航平と、やっと目が合って。
そのまま席に着いた。
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