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第13章 花の名前

「っあ...んっ...んああっ」

たまらず声が漏れて、睦美は慌てて手で口を塞ぐ。

長い航平の指が蜜を纏ってしなかやかに踊り、睦美の好きな場所を確実に攻める。

胸先に吸い付いては舌で転がされ、反応を伺いつつどちらもの動きを変えてゆく。

「んっ...っ...」

口元の手が睦美の声を阻んでいることに気付いた航平が、その手に唇を伸ばす。

「この手、どけて？」

「んっ、...な」

なんでと言おうとした唇が、航平の唇によって塞がれて、舌が絡まる。

深く差し入れ睦美の口内を優しく埋め尽くす。

「...声が聞きたいから、手、しちゃダメ」

そんな。

わずかに離れた唇がそう言って、また睦美の唇を塞ぐ。

「んっ...」

「下の人居ないんだから。誰にも声、聞こえないから」

そうかもだけど。

日ごろ抑えてるから、ついつい癖が出てしまうんだし。

ナカの指が音を立てて気持ちいい場所で動いていて、反論する言葉が出てこない。
カラダを反るようにくねらせ、航平の腕を掴む。

「...っ、ああっ、...いっ」

「ん」

睦美のカラダがビクっと小さく波打ち初め、その動きを増幅させるように航平の指に力が込められた。

「...んああっ！」

首すじで踊っていた航平の舌が、睦美の舌をまた捉える。

「んっ...」

締め付けた指がゆっくり、その場所を離れてゆく。

充満した蜜が、まだヒクついたその場所から零れてゆく。

睦美と視線を合わせたまま下へと降りていった、航平の舌がその溢れた蜜を舐めとる。

「あっ、...んっ」

音を立てて舐めまわしてから、優しく吸い付く。

時折視線が合って、色を帯びた航平の瞳にゾクゾクする。

イったばかりのその場所が、求めてヒクついているのが分かる。

「んっ、...こうへ...っあ...んっ」

睦美の腰が自然と動いて、だけど同時に脚を閉じようとしてしまう。

太ももを掴み大きく広げると、航平の舌がナカに入ってきた。

それまで以上に音を立てて追い込む。

「やっんっ...はっあっ」

腰を浮かせ、航平の顔に擦り付けるようにして、睦美が果てる。

「大丈夫？」

優しく頭が撫でられていると気付いた時には、また舌が近づいてきていて。
睦美からもその舌を求めて唇を近づけた。

腕を伸ばして抱き合うと、お腹の辺りの肌に航平の熱い存在を感じる。