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第13章 花の名前

その場所へ睦美が手を伸ばす。

意図を感じ取った航平がゆっくりと仰向けになるよう体を動かして、睦美は追いかけてゆく。

指で撫で回し、キスをいくつか落としてから、徐々に舌を這わせる。

顔をあげて航平を見ると、片肘をついて体を半ば起こし、もう片方の手を睦美の頭に伸ばしてきた。

「ん...」

睦美の乱れた髪の毛が耳にかけられるのと同時に、口の中に迎え入れる。

触り始めた頃よりも、確実に大きく固くなってゆくのが分かる。

必死に舌を絡ませて動かしていると、不意に足を捕まれて動かされる。

その意図を感じ取った睦美が、導かれるまま航平の顔の上に跨る。
角度を変えて、舌が蜜穴に舞い戻ってきた。

「んっ、んふっ、...ああっ」

別に初めての体位では無いが、恥ずかしくてやはり少し躊躇ってしまう。

そんな動揺をしている睦美とは違って、航平は抱え込むようにして睦美のワレメを舐め回す。

睦美も口から飛び出したそれを、悶えながらもなんとか舐め回し口に含む。

「んむっ、んっ...」「ん...」

互いの口が作り出す音が、そして口から漏れる声が響いて互いの耳を刺激している。

舐めまわしていた舌が睦美の膨らみを吸い、動き回る腰を余計にくねらせる。

「んあっ、...んっ、んんっ」

睦美も負けじと頭を動かせる。
浮き上がった血管が、舌にもその熱を伝えている。

「...睦美、もう挿れたい」

消え入るような、それでいて全身が震えるほど色っぽい声が航平からする。

「うん...」
　
起き上がってきた航平が、後ろから睦美に抱きつく。

顔を近づけてキスをしながら、ゆっくり向きを変え、睦美の背中がベッドに沈んだ。

広げた足の中心に、航平が蜜を纏うように動かしてゆく。
今にも入りそうで入ってこない。

「...航平？」

航平が、ベッドの頭の所にある小さな包に手をのばそうとする。

「だから、しなくていいんだって、ば！」

その腕を睦美が遮って、そのまま航平をベッドに沈める。

「さっき話したじゃん」

「だって睦美、やっと酒飲めるのに」

「え、そんな心配？」

１年半ほど、確かに断酒してたけど。

飲みたいなぁと思う日もあったけど、それに勝る１年半だし。

確かに、２人でお酒を飲む時間は好きだけど、それに勝る存在がいまは居る。

そして出来ればもう１人欲しい。