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ガーネット弐番館
第1章 再会
「久しぶり」

そう声をかけられ、見ていたスマホから視線を上げると、どこか見たことある人物が目の前に立ってこちらを見下ろしている。

咄嗟に思い出せずにいたが、3秒ほどかかってなんとか思い出した。

「...あ」

1年ちょっと前、うやむやーっと別れた元カレだ。

いや、元カレという表現はおかしいかもしれない。

そのぐらいのオトコ。


なんと挨拶していいかも微妙だ。


去年の春に、地元に出来た大型ショッピングモール。

オープンから1年近く経った今でも大盛況で、特に土日はいつも人で溢れている。

そのモールのほぼ真ん中に位置する、これまた人の多いエリアの椅子に座って、睦美(むつみ)は友達の文乃(あやの)を待っていた。

これから最上階のレストラン街にあるどこかのお店で、文乃と食事をする予定なのだ。

他に何もおしゃれスポットなんか無い田舎町。

顔見知りに遭遇してしまうことは、ハッキリ言って珍しくない。

でも、まさかこの人に会うとは。

「...どうも」

小さな声でなんとか絞り出すように挨拶した声は、喧騒にまぎれたのか彼の耳には届かなかったらしい。

元々表情豊かな人では無かったと思うが、無表情のままこちらを見下ろしている。

気まづくてすぐに視線をスマホに落とす。

一応挨拶したんだし、早く立ち去って!

そう強く念を送る。

あんなビミョウなフェイドアウトをしておいて、よくも声を掛けて来られたモノだ。

とさえ思う。 

その人物、航平(こうへい)が背の高い体を少し屈めてきた。

「行こうか」

は??

睦美は、もう一度大きく顔を上げる。


いやいやいやいや。

「え?...は??」


何かの聞き間違いか。

誰かと間違えているのか。

周りを見渡してみるも、航平は明らかに睦美に話しかけている。

「ほら、早く行くぞ」

久しぶりに会ったから、お茶でもとか考えているんだろうか。

何回か食事して、デートっぽい事してた時もそうだったけど、この人の考えていることはよく分からない。

そういえば、会う時はいつもこんなカンジで、会話があまり噛み合わなかった気がする。

顔や雰囲気は、相変わらずどストライクなんだけど。

「私、友達待ってんだよね」
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