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ガーネット弐番館
第3章 熱
「あっ、...んっ」

思わず零れた吐息が、自分で思っていたよりヤラしくて。

枕を握りしめていた右手で、慌てて口を押える。

左手は、航平の指に絡まって自由がきかない。

航平が動く滑らかな腰の動きに、睦美は何度も何度もその体を揺らされている。

「...っ、...んっ」

決して激しく動き回っているわけではない。

だけど、奥底に眠っていた快感が弾けたように、全身で航平を感じていた。

もうとっくにどこか探り当てたのか、航平が執拗に睦美のイイ場所を狙って攻めている。

ゆっくりと確かめるようにその場所を突かれて、アタる度に体が跳ね、次第にその波が大きくなる。

「んっ、...そこっ、...やっ、...すごっ」

緩やかに時間をかけてその場所を攻められ、今まで経験したことのない大きな高みに飛ばされた。

「...んんっ!!」

自分でもおかしいぐらい、体が痙攣して全身に快感が走り抜ける。

大きく呼吸を繰り返すも、まだ余韻が抜けきらない。



なんで、こうなったんだっけ。


さっきまで愉しく飲んでいたのに。


そして、1年前はこんな事にならなかったのに。


近づいてきた航平の目の奥が、楽しそうに笑って見える。



深く繋がりながら、唇を交わす。

腰と同じようにゆっくりねっとり舌を絡ませる。

同時に、腕を航平の体に回し引き寄せた。

汗ばんだ体が、吸い付くように重なる。


体位が変わっても、また同じような律動を繰り返す航平の耳元に、唇を近づける。

「...ねぇ」

まさか自分からこんな事を言うとは。

「もっと、...激しく、して?」

航平の緩やかな動きは、じれったく苦しいぐらいで。

「激しいのが、好きなの?」

体を僅かに離し、顔を覗き込んでくる。


違うけど。

違うんだけど。説明出来ない。


言葉に詰まった睦美に、にっと笑ったように見えた。

「いいよ。じゃ、交代」

その意味が分かるより早く、繋がったままぐるりと向きが変えられて。

「っ、...はぁ」

仰向けになる航平の上に、睦美の腰を立てられてしまう。

今までとは違うように深く繋がって、航平のモノが奥に当たる。

ただでさえ長く熱いその塊を、お腹の中いっぱいに感じているのに。


「好きに動いていいよ」


そう言われても、体を起こしているだけでやっとだ。
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