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ガーネット弐番館
第3章 熱
「ランニングの途中にさ、めっちゃイイ匂いのトコ見つけて」

場所を聞くと、ここから車で行っても結構距離がある峠にあるラーメン店だ。

「え!あそこまで走ったの!?」

「うん」

と相変わらずけろりとしている。

「すげーいい匂いしてた」

このあたりでは昔から有名なラーメン店だ。
ウワサはよく聞くが、睦美はまだ行ったことがない。

「ラーメン嫌い?」

「好きだけどー」

「けど、なんだよ?」

「今、朝ごはん食べたのに」

キッチンの洗い物が済んだ今は、もう10時近くで。
お昼までにお腹が空きそうにない。

食べログでラーメンの写真を見たことがあるけど、結構こってり系だった気がする。

「見た目ほどこってりしてないって、下の奥さん言ってたぜ」

平日は近隣の工場の男性客が多いけど、土日なんかは家族連れも多いとか。

へー。

って、...んん?

「誰に聞いたって??」

「だから、下の奥さん」

はいいいい???

「さっき、ランニング帰りに下で会ったから、挨拶がてらラーメンのこと聞いた」

挨拶がてら?

まさかまさか??このパターンって...。

「“半年もの間、いーーっかいも姿を見たこと無いから、婚約者とかゼッタイ嘘と思ってた!”って」

実はイマイ不動産のおばちゃんに、頼まれててー。 
ホントに婚約者がいるかどうか、監視しといてくれってー。
おばちゃんに言っとくね!
イケメン婚約者に私マジ会いましたよって!!


さっき、外が騒がしかったのは、ソレだったのかー。

力が抜けて、よろよろコタツに座る。


「よかったじゃん。これでもう大丈夫じゃね?」

航平にそう言われて、はっと気づいた。

そう、...なるね!

確かに、もうここまで来たら後には引き返せない。

航平もこの様子だと、協力してくれそうだし。

こうなったら、今日一日『婚約者役』をやってもらうのいいかも!!

「で、どうする?」

「行く!行こう!!」

こうなったら、下の奥さんにラブラブしてるところでも見せつけてやろう!!

力を込めて、コタツから立ち上がった。

「じゃ、決まりな」

航平が口の端で、ふっと笑みを漏らした。

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