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ガーネット弐番館
第3章 熱
相当盛り上がっているのか、賑やかな笑い声がまだ聞こえる。

よっぽどいい事でもあったのかな??


出来上がったコーヒーをいつものマグカップに注ぎ、飲みながら目玉焼きを作る。

トーストも焼ける匂いがしてきて。

ああ。やっといつもの日常だ。

プレーンのヨーグルトを冷蔵庫から出し、焼きあがった目玉焼きをお皿にー。


「ただいま」

...はいいい???

ビックリしてふり返ると、ランニングをしてきたっぽい格好の航平が、イヤホンと音楽プレイヤーを外しながら近付いてきた。

立ち尽くす睦美をヨソに、思いのほか至近距離まで近づいてきて、おそらくコーヒーの匂いを嗅いでいる。

「あー、すげーいい匂い」

そのまま、さも慣れた手つきでコップを出すと、水道水を汲み飲みはじめた。

うっすら浮かんだ額の汗が垂れてゆく様を、フライパンとお皿を持ったまま見入ってしまう。


帰ったと思ったのに、ただ出掛けてたのか。

しかもー

「...ランニング?」

「うん」

はいキタ。「それが何か?」って顔。

何度目だ。


これまた慣れた手つきでコップを洗って、カゴに伏せる。

「シャワー浴びて来るから、俺の目玉焼きも焼いといて」

そう言うと、ぐるぐるっとまとめたプレイヤーをカウンターの上に置いて風呂場に消えて行った。


...いつまでいるつもりなんだろう。

そう思いながらも、航平の目玉焼きを焼いた。




「いただきます」

昨日と同じ位置に座って、航平がコーヒーを飲んでいる。

「美味いな」

文乃があの作戦でゲットした彼氏と、年末年始にハワイに行った時のお土産だ。

軽く説明すると、頷いて大人しく聞いている。


お休みの日にだけ飲んでる、貴重なコーヒーなんだけどな。


同じくハワイ土産でもらったコーヒーバターをパンに塗りたくって口に入れる。

「へー、何コレ」

これまた説明すると、面白がって同じように塗りたくっている。

「ちょ、つけすぎ」

「ケチるなよ。減るもんじゃなし」

「減るよ!減るから!!」

航平の冗談がよく分からない。


なんだろ。この、同棲何年目、みたいなの。

おかしい。何かがオカシイ。



「お昼はさ、ラーメン食べに行こうぜ」

「へ?」

一緒にまた洗い物をしながら、唐突に言いだした。
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