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ガーネット弐番館
第4章 恋人っぽかったオトコ
張り切ってオシャレをして出掛けたのに、ことごとくタイミングが悪かったらしい。
アパートの誰にも会わずに、ラーメン店に到着し。
普通に並んで、普通に食べた。
普通に美味しかったけど。
その後、何か買いたいものがあるとかいう航平に付き合って、近くの大型ホームセンターに行った。
ここも、よく知り合いに会う場所ではあるが、誰にも会わない。
ホームセンターに付属している、アイス店で普通にアイスを食べた。
ではでは、と。昨日出会ってしまった今井のおばちゃんの、イマイ不動産に行ってみようと試みるも。
なんと、お店は真っ暗で、入口に『本日臨時休業』の札がかかっていた。
ここまで来ると、睦美も何としてでも!
と、ムキになってくる。
近所のいつも利用するスーパーに回ってみる。
いつもなら、アパートの人はもちろん、職場の人にだって会ってしまう場所だ。
隣に100円均一のお店やクリーニング屋もあって、共同の駐車場は、いつも人と車で溢れている。
オカシイ。誰にも会わない。
いや、人はそこそこ居るのだが、知り合いに会わないし。
見かけないのだ。
普通に晩御飯の買い物だけして、アパートに帰ってきた。
こんなに一日、色んなところをぐるぐるしたのに、知り合いに全く会わなかったことなんてない。
アパートの部屋までたどり着くと、航平が声に出して笑い出した。
「マジか」
「...ごめん」
睦美はしゅんとなって、繋いだ手を離そうとした。
アパートの近くでは、どこか誰か居ると思って手を繋いでまでして、車から部屋まで帰ってきたのに。
離そうとした指を、ぎゅうっと握り返される。
「俺は今日一日楽しかったけど」
そうなのだ。
何だか、普通のデートみたいだった。
最初は、意識してカップル風を装っていた睦美だったが、途中からそんな風も忘れていた。
手を繋ぐのは照れくさかったが、いつの間にか自然に繋いで寄り添って歩きまわっていた。
「不自然なほどキョロキョロしてたけど」
まだ航平が笑っている。
台所に買ってきたものを運ぶ。
当然ながら、2人分の夕食の材料だ。
航平のリクエストでハンバーグ。
...そりゃ、食べて帰るよね。
チラリと航平を見る。
アパートの誰にも会わずに、ラーメン店に到着し。
普通に並んで、普通に食べた。
普通に美味しかったけど。
その後、何か買いたいものがあるとかいう航平に付き合って、近くの大型ホームセンターに行った。
ここも、よく知り合いに会う場所ではあるが、誰にも会わない。
ホームセンターに付属している、アイス店で普通にアイスを食べた。
ではでは、と。昨日出会ってしまった今井のおばちゃんの、イマイ不動産に行ってみようと試みるも。
なんと、お店は真っ暗で、入口に『本日臨時休業』の札がかかっていた。
ここまで来ると、睦美も何としてでも!
と、ムキになってくる。
近所のいつも利用するスーパーに回ってみる。
いつもなら、アパートの人はもちろん、職場の人にだって会ってしまう場所だ。
隣に100円均一のお店やクリーニング屋もあって、共同の駐車場は、いつも人と車で溢れている。
オカシイ。誰にも会わない。
いや、人はそこそこ居るのだが、知り合いに会わないし。
見かけないのだ。
普通に晩御飯の買い物だけして、アパートに帰ってきた。
こんなに一日、色んなところをぐるぐるしたのに、知り合いに全く会わなかったことなんてない。
アパートの部屋までたどり着くと、航平が声に出して笑い出した。
「マジか」
「...ごめん」
睦美はしゅんとなって、繋いだ手を離そうとした。
アパートの近くでは、どこか誰か居ると思って手を繋いでまでして、車から部屋まで帰ってきたのに。
離そうとした指を、ぎゅうっと握り返される。
「俺は今日一日楽しかったけど」
そうなのだ。
何だか、普通のデートみたいだった。
最初は、意識してカップル風を装っていた睦美だったが、途中からそんな風も忘れていた。
手を繋ぐのは照れくさかったが、いつの間にか自然に繋いで寄り添って歩きまわっていた。
「不自然なほどキョロキョロしてたけど」
まだ航平が笑っている。
台所に買ってきたものを運ぶ。
当然ながら、2人分の夕食の材料だ。
航平のリクエストでハンバーグ。
...そりゃ、食べて帰るよね。
チラリと航平を見る。